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環境整備
栽培とは、作物の生育に人が手を加えることです。
多くの場合、人間の都合のいい結果が得られるように各種の作業を行ないます。
それが、環境整備です。
環境には大きく分けて次のものがあります。
光、土、空気、生物です。
また別の視点からみると、作物に影響を及ぼす環境は生育する場所(専門的には圃場(ほじょう)という、つまり畑や田)とその周辺があります。
一般的に、圃場のことは語られますが、圃場の周辺環境についてはほとんど語られません。
農薬を使わない栽培では、後者の周辺環境も大きく影響してきます。

1.隣接農地

私どもの農地がある地域は農地の一枚一枚が小さいので、隣接する農地の影響を受けます。
特に、私どもは農薬を使わないので、もろに被害をこうむります。
しかし、それぞれの畑に地主がいても、こちらの被害にはまったく無関心で、あの手この手で自衛するしかありません。
ある畑を例にして具体的に説明します。
隣接する耕作地① 隣接する耕作地①
道をはさんで反対側の農地の写真。
道路沿いにホトケノザが茂っている。
ホトケノザには、ほぼ例外なく、アブラ虫がついていて、春になると羽を生やして周辺に飛散する。
その時期は強い南風が吹きやすく、その風にのって私どもの農場に飛来する。
昨春は悪影響がなかったようだ。
隣接する耕作地② 隣接する耕作地②
昨年春、この畑からもアブラ虫とコナガが飛来した。
菜の花を収穫していたが、収穫終了後にトラクターですき込んだため、菜の花に寄生していた害虫が周辺に飛び散った。
この飛散を想定して対策をとっていたので、ほとんど悪影響はなかった。
隣接する放棄地① 隣接する放棄地①
奥のほうが放棄地。
何十年も放棄されている。
手前の山は、昨年7月上旬から11月中旬まで収穫した、私どもの露地トマトの残渣。
奥の放棄地から大型害虫がトマトに寄生して被害がでた。
それを予想し、一応の対策をとっていたので、金額にして10万円くらいの損失ですんだ。
このように長期に放棄されている場所は、天敵も棲息しているので、大きな被害はうけにくい。
隣接する放棄地② 隣接する放棄地②
写真の左側の枯れ草の茂っている農地。
数年前から放棄状態になったようだ。
その放棄地から草の種が私どもの畑にこぼれ、ちらちらと草が生えている。
境界に土盛りと溝を掘っておいたので、草の侵入はこの程度ですんだが、放棄地で発生したネキリ虫が侵入してきて、ねぎと春菊に被害がでた。
野菜のロスは5万円程度だが、ネキリ虫を手で一匹一匹補殺する手間がとても大変だった。
害虫を手で補殺する作業は、精神的にも肉体的にもハードワークなので、できるだけしたくない。
今年は、この放棄地の地主にお断りし、害虫が発生する前にトラクターで耕す予定だ。

2.残渣(ざんさ)処理

野菜の残渣処理をあまり気にしない農民が圧倒的多数である。
今まで多くの農民に会ってきたが、残渣処理の重要性を説いた方は誰一人いなかった。
農薬を使わない者は、くれずれも残渣処理にも十分に気をくばるべきである。
特に分解の遅い残渣は圃場(ほじょう)から離れた場所に捨てる。
残渣に寄生していた害虫や病気が長く残存したり、場合によっては増殖することすらあるからだ。
残渣の山 残渣の山
私どもが借りている農地の一部が初めから放棄状態であったので、地主にお断りし、そこに積んでいる。
作付けしている圃場から50m以上離れているので、ほとんど悪影響はでない。
この場所は県道に隣接しているので、残渣の搬入が楽なだけでなく、駐車場としても利用でき、重宝している。
放棄地もそれなりに使いようがある。
残渣のすき込み 残渣のすき込み
葉は分解が速いので、害虫や病気の問題が起きないようであれば、畑にすき込む。
これは、ブロッコリーの収穫終了の翌日、糠と籾殻とともに、その葉をすき込んでいるところ。

3.竹

竹は、生命力が非常に強い。
かつて日本人は、食用、建築資材、食器、農業資材、自然災害の防止などと、この竹の恩恵を最大限に活用してきた。エジソンが白熱電球のフィラメントに使ったのも竹であった。
しかし現代では、農場や林を放棄する農家が増え、竹が迷惑な存在になっていることが多い。
竹の伐採 竹の伐採
私どもの農園に接する放棄地から竹が侵入して困っている。
農場内に一度入られると、地下茎が深いため、なかなか除去できない。
また、周辺の放棄地であっても、そこに茂る竹が日陰をつくり、作物の生育を悪くする。
写真は、周辺の地主にお断りし伐採したところ。
しかし、筍の季節になるとまた生える。また切る、また生える、のイタチごっこを何年も繰り返す。
もちろん、ただ働きである。これも、農村の実態のひとつである。



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