農業の現実

百姓雑話

第101話 農村と都市

いつの世も人類は、集団や社会を形成し、助け合い、力を合わせて生き延びてきた。 しかしその一方で、武力や経済力、習慣や制度、法律や宗教、権威や権限などを駆使し、他者を搾取してきた。なぜなら、搾取すること、奪うことは生きることの本質に関わること...
百姓雑話

第100話 サラリーマン農業は可能か

サラリーマンから農業に身を投じた人を「脱サラ農民」という。私もその一人であるが、世襲した農民と比べ、多くの障壁を越えなければならない。もっとも代表的な障壁は農地の入手である。市町村から農家と認められていない者が農地の購入や賃貸を希望しても、...
百姓雑話

第97話 豊作貧乏

実りの秋、食欲の秋を迎えた。暑くなく寒くもなく、良い季節だ。この頃になると、種まきや定植がほぼ終わり、収穫の日々が続く。それまでの苦労が報われる気がする。 しかしその一方で、秋には厳しい現実もある。豊作貧乏である。私は、豊作貧乏になると、「...
百姓雑話

第92話 農薬(4)

今さら私が指摘するまでもなく、農産物の品種改良と生産技術の向上、とりわけ、農薬と化学肥料の普及が人類の今を支えている。膨張し続けてきた人類のほとんどを飢えから救ってきたことも紛れもない事実であるが、その裏側で人類は重大な過ちを犯してきたよう...
百姓雑話

第78話 資本主義の衰退(2)

このご時世で、資本主義の根幹であるインフレを誰が望んでいるのだろうか。かすかすの蓄財や年金で生活している老人が望んでいるだろうか。住宅ローンを抱えている人々が望んでいるだろうか。子どもの学費を稼ぎだすために自分の小遣い銭も気にしている人が望...