農業の現実

百姓雑話

第73話 農村事情(3)

「日本の農家のほとんどは家族営農である」と言われてきた。かつて私の実家も、まさにそうであった。両親と兄夫婦の4名が力を合わせて働いていた。猫の手も借りたいような時は、学生の私も手伝った。冠婚葬祭や体調を大きく崩した時以外は、4人が毎日毎日働...
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第72話 農村事情(2)

昔、クレージー・キャッツというコメディアン・バンドが一世を風靡した。その代表的なヒット曲に、故・植木等氏が歌った「スーダラ節」がある。その一節に「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」という有名なフレーズがある。しかし、非正規労働者が労働者...
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第71話 農村事情(1)

世間では、ゴールデン・ウィークである。多くの人々が長い連休を楽しむ時期だが、この付近の人々はとても忙しく働く。ゴールデン・ウィークを利用して、日頃は農作業をしていない兼業農家も田植えに励むからである。米作りは、機械化されているので、連休を使...
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第67話 分散と集中

皆生農園では、通年で直売しているため、年間50種類ほどの野菜を作る。春は、葉菜のレタス、キャベツ、ほうれん草、小松菜、ルッコラ、ねぎ、ブロッコリーなどから始まり、根菜のジャガ芋、果菜のトマト、茄子、枝豆、きゅうり、いんげん、オクラ、さつま芋...
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第53話 厳しい試練の先に

あっという間の1年であった。還暦にもなった。年を重ねるごとに、月日の流れが本当に速く感じられる。働き過ぎると、節々が痛み、数日は疲れが残る。年には逆らえない。幸い、辛い作業の多くを研修生やボランティアの皆さんが担ってくれるので、今年も何とか...