百姓雑話 第206話 落ちる 秋も深まり、落ち葉が積もっている。悩ましい雑草も、ほとんど枯れ種を大地に落とし、命を明日につなげた。この頃になると、越冬野菜の作付けもすべて終わり、「今年も元気に働けて本当に良かった」という感謝の念をいだく。 ところで、「落ちる」という言葉... 2015.11.29 百姓雑話
百姓雑話 第204話 効率と寿命 効率は経済活動の基本的なエレメントになっている。効率を追求しない仕事は稀有である。芸術家や哲学者、文筆家や評論家、あるいは宗教家や厭世家でもないかぎり、「まんざら非効率も悪くはないではないか」などと口にしにくい。競争社会で日々もまれている人... 2015.11.15 百姓雑話
百姓雑話 第201話 文明の代償 私は便利さや快適さとはまったく無縁の農村地帯で生まれ育った。土間に積まれたレンガの竈(かまど)で藁(わら)や木くずを燃やし日々の食事を煮炊きした。お風呂も鉄製の風呂釜、いわゆる「五右衛門風呂」で、井戸水を満たし籾殻(もみがら)や落ち葉を燃や... 2015.10.25 百姓雑話
百姓雑話 第188話 モダン・タイムス 梅雨が明けた。関東地方は、エルニーニョ現象の影響もあってか、梅雨入り宣言後も雨がほとんど降らなかったので、明けるのが遅くなると予測していた。しかし、明けてみれば、ほぼ例年並みであった。強い日差しと高温のために、各種の夏野菜がたくさん採れ始め... 2015.07.26 百姓雑話
百姓雑話 第134話 「使う側」と「使われる側」の逆転 私は、いまだに昔ながらの携帯電話、いわゆる「ガラケイ」を使っている。スマホを買っても、その多彩な機能を使いきれないと思うからである。また、高価なスマホを畑で失くす恐れもある。私にはガラケイとパソコンで十分である。 ところで世の中には、「使う... 2014.07.13 百姓雑話