文明・歴史

百姓雑話

第131話 追体験(1)

6月というのに、寒い。小雨の中、今年も水田の草取りをした。 5年ほど前から友人の田んぼの一枚を借り、農薬を使わず、もっぱら昔ながらの人力草取りである。早苗の間を写真のような除草機を押すと、前後の爪が回転し、雑草を土から取り除くのである。地主...
百姓雑話

第118話 機械化と農業

人類が築いてきた文明には、際立った特徴がいくつかある。まず文明は、争いや戦争を引き起こし、無数の戦死者を礎に発達してきた。これは学校での歴史教育の中で、嫌というほど教えられる。二つ目は、農耕の普及によって自然をとめどなく破壊してきた。文明の...
百姓雑話

第104話 パパラギ

31歳の時、ある方から「パパラギ」という本を頂き、引き込まれるように一気に読んだ。サモアの酋長が、白人を「パパラギ」と呼び、訪問した宗主国のドイツと自国のサモアの社会や生活を比較し、彼の理想的な生き方を語っている。いわば文化人類学的な本であ...
百姓雑話

第87話 目先の善、将来の悪

立秋の7日から今年2度目の夏が来て、毎日厳しい暑さが続いている。畑の土はパサパサである。お天気任せの露地栽培とはいっても、水をたくさん要求する胡瓜などは水不足で収穫量がかなり減ってしまった。また、これから秋にかけてブロッコリーやキャベツなど...
百姓雑話

第79話 余計なお節介

私は発酵食品をよく食べる。ヨーグルトは毎食、納豆は昼食時に毎日欠かさず食べている。だから、胃腸の調子がとても良い。 ところで、納豆を食べる時、「まったく余計なお節介だな」とたびたび思う。例の小さなパック詰めの醤油とマスタードである。特にマス...