第4章 作物毎の注意点

注意している点(難易度)【2020年2月16日公開】

栽培する作物を検討する際、目先の状況や他人の意見などに振り回されることなく、作物の難易度と収益性を知った上で決めましょう。
作物を栽培する時、私は経験上、主に次のような点に注意を払っています。
品種特性、土壌環境、気候と天候、栽培時期、病気、害虫、作業の量と質と軽重、市場性、自分の好みと自給、です。これらの中でも、農薬を使えば病気と害虫の影響はほとんどなくなりますし、地域のよっては注意点が異なると思います。もちろん、本人の能力や年齢、体力なども関係してきます。
また、これらの注意点を総合的に検討すると、作物ごとの難易度が大まかにわかります。
私は、農薬と化学肥料を使わないので、以下のように露地栽培の難易度を分類しています。

① 極容易:さつま芋、大根、里芋
② 容易:いんげん、スナップえんどう、絹さやえんどう、ジャガ芋、玉ねぎ、ラディッシュ、かぶ、サニーレタス、小松菜、ルッコラ、春ブロッコリー、キャベツ、白菜、水菜、モロヘイヤ、
③ 中程度:枝豆、なす、ピーマン、ズッキーニ、カボチャ、にんにく、人参、ほうれん草、レタス、長ねぎ、秋冬ブロッコリー、菜の花、大葉
④ 困難:きゅうり、オクラ、ごぼう、春菊、越冬ブロッコリー、空芯菜、
⑤ 極困難:ミニトマト、トマト、

上記の難易度と収益性には相関がなく、難易度が高ければ収益性が良いとは限りません。例えば、露地栽培のミニトマトやトマトは、難易度がもっとも高いにもかかわらず、収益性は非常に悪い作物です。その一方で、スナップエンドウなどは、難易度が低いものの、収益性が良い作物です。

【2020年2月16日公開】

さつま芋、大根、里芋【2020年3月15日公開】

①さつま芋
・サツマネコブセンチュウがいないこと。正確には、生息密度が極めて低ければ悪影響はでません。ただし、後作にサツマネコブセンチュウの被害がでやすい作物は作らないことです。
・やせ地であること。特に窒素肥料が多くと、まずくなります。
・水はけが良いこと。水はけが良くないと、大きくなりすぎ、切り口が酸化しやすく、まずい芋になります。日持ちも悪くなります。
・日当たりが良いこと。

②大根
・ネグサレセンチュウがいないこと。正確には、生息密度が極めて低ければ悪影響はでませんが、連作すると数年で被害がでてきます。
・目視できるほどの大きさの有機物が土壌中にないこと。あると股別れします。
・水はけが良過ぎないこと。良過ぎると、肥大が遅くなり、みずみずしさが乏しくなります。

こちらもご参照ください。

③里芋
・水持ちが良い畑であること。もともと里芋は湿地を好みます。
・夏場に潅水できること。里芋は水で育てると言っても過言ではありません。

こちらもご参照ください。

【2020年3月15日公開】

スナップえんどう、絹さや、いんげん【2020年4月19日公開】

①スナップえんどう
・水はけが悪く、phが比較的低い(6.0以下)圃場は避けます。
・収穫しやすいように、株間を十分開けて種まきします。
・春から梅雨入りにかけて南寄りの強風が吹く圃場はできるだけ避けます。
・ハモグリバエの被害を受けやすいので、ハモグリバエが発生するような野菜の近くには作付けません。また、野菜残渣の捨て場にもハモグリバエが発生することがあるので、その近くにも作付けません。
・伸び始める前に誘引の仕掛けを作ります。
・花が咲き始める頃から季節的に土壌が乾燥しやすくなり、肥料の効きが鈍くなります。そこで、花が咲き始めたら追肥し、根圏に何回か潅水します。これを怠ると、ウドンコ病が早めに発生し、収穫量が落ちます。
・ウドンコ病が発生した残渣は胞子をまき散らすので、ウドンコ病が発生しやすい作物は近くに栽培しません。

②絹さやえんどう
・上のスナップえんどうと同じです。

③いんげん
・水はけが良い圃場を使います。
・phはスナップえんどう程高い必要はありません。
・収穫しやすいように、株間を十分開けて種まき、あるいは定植します。私は、育苗し蔓が伸び始めた大苗を定植します。
・土壌中の窒素成分が多いとアブラムシがつくので、少なく抑えます。追肥と潅水によって収穫量を上げます。
・春から梅雨入りにかけて南寄りの強風が吹く圃場はできるだけ避け、防風対策を施します。
・梅雨明けが早まったら、遮光します。
・露地栽培では、台風の被害が出るので、秋作はしません。

【2020年4月19日公開】

ジャガ芋、玉ねぎ、かぶ、ラディッシュ【2020年5月21日公開】

①ジャガ芋
・土壌のphが低いこと。高いとソウカ病が発生しやすくなります。
・圃場は、日当たりと風通しが良く、窒素残肥が少ないこと。そうでないと病気(疫病や軟腐病など)が発生しやすく、芋の品質が落ちます。
・芋が肥大し始める頃、特にカルシウムを効かせます。

②玉ねぎ
・土壌のphが高いこと。低いと生育不良を起こします。
・圃場は、できれば水はけが良いこと。水はけが良くない圃場の場合は、高畝にします。
・定植直後にタネバエの被害が出ることがあるので、周囲にタネバエの発生源がない圃場を使います。
・玉が肥大し始める頃、特にリン酸とカルシウムを効かせます。

③かぶ
・圃場は水はけが悪くないこと。水はけが悪い圃場では、玉割れや病気が発生しやすくなるため、高畝にします。
・冬が旬のため、それ以外の時期に収穫する作型は避けます。それ以外の時期は、病害虫などの被害を受けやすく、品質も落ちます。特段の理由がない限り、旬を逸脱しまで栽培するほどのメリットはありません。
・キズジノハムシの被害が出ないように、播種直後に0.6mm目合いの防虫ネットを張ります。

④ラディッシュ
・圃場は水はけが悪くないこと。水はけが悪い圃場では、品質が落ちるので、高畝にします。
・生育適温と収穫適期の幅が大根やかぶと比べ狭いので、暑い時期や寒い時期には栽培しません。無理して栽培するほどのメリットはありません。
・大根やかぶと同様に、キズジノハムシの被害が出ることがあり、播種直後に0.6mm目合いの防虫ネットを張ります。

【2020年5月21日公開】