百姓雑話

第385話 日本人の食の転換点

やっと酷暑がおさまった。8月も9月も観測史上もっとも暑かったらしい。当地では、酷暑にくわえ異常な雨不足で、秋野菜が不作ぎみだ。それでも、米や夏野菜などは豊作で、全体的には「良くもなく悪くもなく」というところだろう。 ところで、世間一般の食料...
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第382話 5つの脅威(2)

前話の続きです。 4つ目の脅威は日本の貧困化です。 近世以降、日本経済を躍進させたことが3度ありました。欧米列強の外圧による開国と関東大震災、そして太平洋戦争の敗戦です。しかし、これらの災いを福としてきました。 そして今、日本は4度目の「貧...
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第378話 だれのための「食料自給率の向上」なのか

コロナ禍による財政出動(お金のバラマキ)とウクライナ戦争が主な原因となり、世界的に穀物などの食料価格が高騰している。先進7か国(G7)の中でも際立って食料自給率が低い日本は、その影響をもろに受け、あたふたとしている。政治家や学者などが「食料...
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第371話 日本の食料リスク(5)

去年の秋から今春にかけて、玉ねぎが異常に高かった。私は、30年以上農業を続けてきたが、こんな記憶がない。昨年、国産玉ねぎの約8割を占める北海道産が雨不足のために不作となり、くわえて輸入玉ねぎのほとんどを占める中国産も不作で輸入量が減ったため...
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第370話 日本の食料リスク(4)

日本の食料リスクとして、前々話では日本人の労働に対する意識を、前話では火山噴火などの大規模な自然災害を指摘しました。三つ目に指摘したいのは国際情勢の急変です。 この2年半の間に、新型コロナの世界的なパンデミック、ウクライナ戦争、脱二酸化炭素...