百姓雑話

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第263話 養豚場(1)

自宅から農場に行く途中、大きな養豚場がある。その近くに農場を借りてから20年ほど経つが、すでに当時からあった。風向きによっては、1km以上も離れた農場付近にも異臭が漂ってくる。周囲には民家や事業所があり、きっと異臭に悩まされ続いけてきたのだ...
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第262話 いのちをつなげる

大人の体は、約60兆個の細胞からなっているという。体に共生している微生物も含めれば、その何倍もの生き物の集合体が一人の人間と考えることもできる。一人の人間の体そのものが一つの銀河系のようなものである。もとより動物は、植物のように無機物から有...
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第261話 真逆の世界

暮れも押しつまり、寒さが身にしみる。農作業を終え家路につく頃は、もう真っ暗だ。畑の野菜たちは日暮れとともに凍りはじめる。澄み切った星空を見上げると、静寂のなかで無数の星々が輝き、きらびやかな都会の夜とは真逆の世界が広がっている。そんな星空を...
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第260話 今年1年を振り返って

今年も早いもので12月となりました。私が皆生農園にお世話になって間もなく2年が経ちます。暑い夏、寒い冬、しんどいこともありますが、やはり自然の中で体を動かすことは素晴らしいと感じています。指示されて行う作業だけでなく、自分なりの考えを持って...
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第259話 競争から戦いへ

確か高校受験の頃、今から半世紀ほど前になりますが、「受験競争」という社会現象がありました。膨大な数の団塊世代が高校や大学に受験しはじめたためです。のちに、いっそう競争が激化し、「受験戦争」とまで言われるようになりました。「競争」という言葉は...