第260話 今年1年を振り返って

百姓雑話

 

今年も早いもので12月となりました。私が皆生農園にお世話になって間もなく2年が経ちます。暑い夏、寒い冬、しんどいこともありますが、やはり自然の中で体を動かすことは素晴らしいと感じています。指示されて行う作業だけでなく、自分なりの考えを持ってやっていきたいと思い、年始に次の計画を立てました。①自然薯の栽培、②原木シイタケの栽培、③ラッカセイの栽培と茹でラッカセイとしての販売、④イチゴの栽培です。

まず、自然薯の栽培は、日曜日夜のバラエティ番組を見て、栽培ができるのかとちょっと感動し、とても興味をそそわれたのが発端でした。実際、山口まで見学にも行きました。今年は50株を試験栽培しました。3月の芽出し、4月の植え付けから始まって概ね順調にいきました。あとはこれからの収穫でどのような成果が出るのか楽しみです。

次に、原木シイタケですが、現在スーパーで出回っているものはほとんど菌床栽培と呼ばれるもので、原木を用いて栽培されたシイタケは風味も一味違うということで挑戦したいと考えました。1月末、原木に種菌を接種し、仮伏せ、6月に本伏せを行いました。この秋に少し出ています。採れたての原木シイタケの歯ごたえと香りはやはり一味違います。まだ販売に回せるほどではありませんが、来年以降が楽しみです。

三番目のラッカセイは、茹で落花生を販売したいと思い、挑戦しました。皆生農園の一角をお借りし種まきしましたが、「ほとんど発芽せず」という結果になりました。原因としては種まき時期が遅すぎたことが考えられます。「苗半作」という言葉がありますが、最初の種まき時期というのが重要であることを学びました。来年は種まき時期をきっちり守りたいと思います。

最後のイチゴに関しては、現在出回っているイチゴはほぼハウス栽培で農薬を多用しないと成り立たないといわれます。そこで、農薬に頼らないイチゴの露地栽培を行ってみたいと思いました。しかし、まったく着手できませんでした。来年の課題としたいと思います。

さらに来年は、ハウスでのトマト栽培に挑戦したいと思っています。不耕起栽培という耕さない栽培方法で何年も連作するというチャレンジです。本当にそんなことが可能なのか、今の私は全くよくわかっていないので、いろいろ勉強しなくてはなりません。また自然薯はムカゴが採れましたので、これを用いた自家製種イモの生産も行ってみたいと思っています。シイタケは来年以降、販売できると思います。

研修の一環として、たまに駅での販売をさせていただきました。自分が生産に関わった産物が売れていくのを見て、人の一生と似ているなと思いました。育苗室での育苗は誕生から幼稚園くらいでしょうか。畑への植え付けは小学校入学、その後様々な試練と保護を受けて、無事収穫、販売されていく様子は社会人としての旅立ちか、娘さんの嫁入りといったところでしょうか。

来年も健康に気を付けながら頑張っていきたいと思っています。

(文責:塚田 創)

コメント