百姓雑話

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第163話 中国(1)

30年ほど前から、私は中国がとても気になってきた。きっかけは、アフリカから帰国する機内で読んだ中国史の文庫本である。ただ記憶させるだけの学校の歴史教科書とは違い、悠久の歴史が現代にいきいきと蘇ってきそうな本であった。その数年後、中国経由でケ...
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第162話 冬(2)

前話の最後に、「冬こそ勝負の時である」と述べた。もちろんこれは、私のような農民に限ったことではない。厳しい冬が重要となる職業はたくさんある。そして冬は、人だけでなく、ほとんどの生き物にとっても厳しい季節である。例えば、本来は肉食が好みの野鳥...
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第161話 冬(1)

冬は苦手である。寒さのために全身の活力が衰え、作業がつらくなる。たぶん、寿命も縮むだろう。さらに、1月からスギ花粉症が始まり、7月初旬までいろいろな花粉に反応してしまう私にとって、冬は忌まわしい季節でもある。いっそのこと、冬の間だけ暖かい国...
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第160話 食べる楽しみ、食べられる喜び

人間は、そら恐ろしい生き物である。先週の日曜の夜、NHKスペシャルの「ネクストワールド 寿命はどこまで延びる 老化を防ぐ物質発見!」を見て、そう思った。番組によると、ホルモンに似たNMNという化学物質が体内のサーチュリン遺伝子を活性化し、老...
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第159話 老いとチャレンジ

歳を重ねるにつれ、変化を嫌い恐れ、だいたい保守的になる。健康を保ちたいとか、現状を守り続けたいとか、ひたすら保守を願うようになる。多分それは、人生最大の、たった一度の大変化、死という未体験の大変化が視野に入ってくるからかもしれない。また、た...