百姓雑話

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第158話 厳しい試練の先に(2)

近年、農業を「6次産業」とか「成長産業」とか、政府やマスコミ、知識人と言われる人たちが農業の将来性を喧伝している。しかし、農業を継続していく困難さは、なかなか語られない。そこで今話では、改めて農業の厳しさを述べてみたい。これから就農を計画し...
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第157話 ボランティア

早朝、農場にむかう途中で道路を掃除している男性をよく見かける。年の頃は60代半ばであろう。写真のように、側溝などにたまった泥や草などをピカピカのプリウスの後部に積んでいく。話しかけても何も語らず、写真もやっと取らせてもらった。報酬も名誉も何...
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第156話 高い健康から安い健康へ

今年の秋はとても暖かかった。記録的な暖かさが続いたため、野菜がすくすく育ち、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜が例年より3週間以上も早く採れた。その結果、スーパーなどの野菜の値段が暴落している。収穫したくなくなるくらい、とにかく安い。マスコミ...
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第155話 新たなグレート・ジャーニー

初冬の冷たい北風が吹く日、近くの大きな調整池に鴨が飛来した。長旅の疲れをいやすかのように、風に揺れてキラキラ輝く陽だまりをゆっくり泳いでいる。鴨の体を人間に換算すれば、世界一周くらいの距離を飛んで来るのだろうか。その旅は、まさに生き延びるた...
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第154話 姥捨て山

「姥捨て山」という民話がある。あまりの貧しさに老人を山奥に捨ててしまう話しで、いわゆる「口減らし」の風習を描いている。家族や集団が生き延びるための究極の選択とはいえ、悲しい風習である。かつて難民キャンプで見た光景も同じで、まず働き盛りの男性...