百姓雑話

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第133話 効率と生存

「わが社が存続するためには、生産効率をもっと上げなければならない」と企業経営者は社員に奮起をうながす。人の命を預かる医療業界でも今や常識である。一部の仕事を除けば、効率の追求はとても重要である。世界がこれほどまでにグローバル化し、どこにいて...
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第132話 追体験(2)

美輪明宏氏が歌う「ヨイトマケの唄」は戦後の経済復興を象徴するような歌である。歌の中で、主人公は大学を出てエンジニアになる。まさに団塊の世代以降の花型職種であった。全国各地の工業高校や大学の工学部に学生が殺到し、今では想像もつかないほど工学部...
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第131話 追体験(1)

6月というのに、寒い。小雨の中、今年も水田の草取りをした。5年ほど前から友人の田んぼの一枚を借り、農薬を使わず、もっぱら昔ながらの人力草取りである。早苗の間を写真のような除草機を押すと、前後の爪が回転し、雑草を土から取り除くのである。地主の...
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第130話 虐(しいた)げられた者が新しい時代を切り拓く(2)

人類は賢いか、それとも愚かなのか。難しい問いである。これから述べることは、どちらかと言えば「人類は賢い」という観点から考察した結果である。前話では、「いにしえより虐(しいた)げられてきた農民が搾取されない時代が来る」と述べた。その根拠として...
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第129話 虐(しいた)げられた者が新しい時代を切り拓く

恐竜などの大型動物が繁栄していた頃、哺乳類は、常に肉食動物に狩られる危険のなかで、ひっそりと生き続けてきたという。今のネズミのようなものであったかもしれない。その当時の哺乳類は、後々こんなにも繁栄する時代が来るとは、とても想像できなかったに...