百姓雑話

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第128話 親の期待、子の希望

昭和36年、「農業基本法」が制定された。高度経済成長とともに拡大した農工間の所得格差の是正が最大の目的であった。この法律に基づき農地の基盤整備に多額の補助金が投じられるとともに、大型農機具の普及よって日本農業の近代化が一気に進められた。戦後...
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第127話 生産と消費

昔は多分、「消費者」という言葉はもちろん、「消費」という概念さえなかったかもしれない。江戸時代に「士農工商」という身分階級が確立されても、人口のほとんどは農民であったから、生産者と消費者を峻別する意味がなかったのであろう。ところが、工業製品...
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第126話 3つの「乏しい」と3つの「ない」

かつて、第69話の「七つの力」で、新規就農者が営農する際に必要な「力」について述べた。それらは、財力、体力、忍耐力、基礎学力、思考力、人間関係力、そしてコミュニケーション能力の7つである。これらの中で、特に必要と私が思っているのは、忍耐力、...
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第125話 富を生まない借金

前話に続き、農村の現実を知っていただきたい。私の住んでいる市は梨の生産量がとても多い。千葉県下でも有数の生産地である。我が家の近くにも大きな梨園があり、右の写真のように、春先から秋にかけ「SS」という農薬散布機がもうもうと農薬を噴き上げてい...
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第124話 「やりたい事」と「やるべき事」

大きい組織で働こうが小さい組織で働こうが、あるいは一人で働く場合でも、仕事に一生懸命とりくむと、なぜか「やりたい事」よりも「やるべき事」のほうが多くなりやすい。「あれもやりたい、これもしてみたい」と思っていても、目の前には「やるべき事」が次...