百姓雑話

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第83話 異変に気づく

今年の関東地方は空梅雨に終わった。例年なら、梅雨の末期には集中豪雨による川の氾濫や土砂崩れが発生し、大きな被害が出ることがある。その地域や場所は事前に特定しにくいものの、後になって冷静に検証してみると、前兆現象や原因が見つかる。自然現象でな...
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第82話 DNAの叫び

30年ほど前、私は難民キャンプで働いていたことがある。食料に事欠き痩せ細った難民たちでも、なぜか次から次と子どもを産む。その現象をさして、ある援助スタッフが「連中は暇だから、やってばかりいるからさ」と言い放った。同席していた誰もが肯定した。...
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第81話 毒を喰う

ハウス栽培であれば雨の影響を受けないのだが、露地栽培はお天気次第である。雨でぬかるんだ泥に足をとられ、カッパの中を汗が流れ落ちる。収穫した野菜は泥で汚れ洗わなければならなくなる。そんな辛い作業の最中に、「こんな雨がエチオピアのアビシニア高原...
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第80話 餌(えさ)を喰う

ある高齢の料理家が印象的なことをおっしゃった。「お袋の味が家庭から消え、今や袋の味になってしまいました」と。現代の食生活をうまく言いあてていると感心した。ところで、「餌(えさ)」と聞いて、あなたは何を連想されるだろうか。豚や牛などの家畜であ...
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第79話 余計なお節介

私は発酵食品をよく食べる。ヨーグルトは毎食、納豆は昼食時に毎日欠かさず食べている。だから、胃腸の調子がとても良い。ところで、納豆を食べる時、「まったく余計なお節介だな」とたびたび思う。例の小さなパック詰めの醤油とマスタードである。特にマスタ...