百姓雑話

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第85話 耕すことの功罪

昔は人力あるいは家畜の力を借りて、人は農地を営々と耕してきた。「農耕民族」とか、「人類は、農耕を始めたことにより、高度な文明を築いた。」などと言われるように、農業と耕すことは一体に語られる。今この辺の多くの畑でも、何も植えられず、きれいに耕...
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第84話 心の時間

とにかく忙しい。一年でもっとも過酷で多忙を極める季節になった。この時期だけでも、もっと人手が欲しい。皆生農園では、50種類ほどの野菜を栽培し通年で直売している関係で、常に10種類以上の野菜を収穫している。とりわけ夏は、トマトや胡瓜、茄子やオ...
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第83話 異変に気づく

今年の関東地方は空梅雨に終わった。例年なら、梅雨の末期には集中豪雨による川の氾濫や土砂崩れが発生し、大きな被害が出ることがある。その地域や場所は事前に特定しにくいものの、後になって冷静に検証してみると、前兆現象や原因が見つかる。自然現象でな...
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第82話 DNAの叫び

30年ほど前、私は難民キャンプで働いていたことがある。食料に事欠き痩せ細った難民たちでも、なぜか次から次と子どもを産む。その現象をさして、ある援助スタッフが「連中は暇だから、やってばかりいるからさ」と言い放った。同席していた誰もが肯定した。...
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第81話 毒を喰う

ハウス栽培であれば雨の影響を受けないのだが、露地栽培はお天気次第である。雨でぬかるんだ泥に足をとられ、カッパの中を汗が流れ落ちる。収穫した野菜は泥で汚れ洗わなければならなくなる。そんな辛い作業の最中に、「こんな雨がエチオピアのアビシニア高原...