文明・歴史

百姓雑話

第267話 偉業

世に「偉業」とたたえられた発明や事業を数え上げたらきりがない。基本的に、そのどれもが人類の発展や新たな文明の創出につながったと評価されている。 しかし、それらの偉業が、庶民をどれほど幸福にしただろうか。地球上からたくさんの生物種を絶滅させた...
百姓雑話

第261話 真逆の世界

暮れも押しつまり、寒さが身にしみる。農作業を終え家路につく頃は、もう真っ暗だ。畑の野菜たちは日暮れとともに凍りはじめる。澄み切った星空を見上げると、静寂のなかで無数の星々が輝き、きらびやかな都会の夜とは真逆の世界が広がっている。 そんな星空...
百姓雑話

第256話 進化と退化

「人類はもっとも進化した高等生物である」と学校で教えられました。今でも一般的にそう思われています。「脳が大きい」とか、「進化の過程でもっとも遅く発生した生物だから」とか、「食物連鎖の頂点に立っている」とかの理由で。生物進化の道筋を示す系統樹...
百姓雑話

第228話 死して、なお尽くす

皆生農園のある白井市は、都内にアクセスする北総鉄道沿いは都市化されていますが、中心街から車で5分も走れば昔ながらの農村風景が残っています。森や林もいたるところにあり、野生動物をよく見かけます。夜中に車を走らせると、タヌキや野ウサギなどにも出...
百姓雑話

第224話 根絶の思想、共存の摂理(2)

「人類は滅びても、ゴキブリは絶滅しないだろう」という話しを聞いたことがあります。多分そうかもしれません。熱帯地域を中心に世界では約4000種のゴキブリが棲息しているそうで、倉庫にストックしてある糠(ぬか)や畑の草むらでもよく見かけます。 と...