鴇田 三芳

百姓雑話

第339話 見えない世界へ

研修生のS君は片道1時間かけて茨城県霞ヶ浦市から通ってきます。日暮れの時刻がもっとも早い季節になり、彼が帰る頃は暗くなっています。皆生農園の農場は純農村地帯にあり、月の出ていない晴れた夜であれば、小さな星までがキラキラ輝いて見えます。そんな...
百姓雑話

第338話 薬

昨年の今頃、寝床に就くと咳と痰が出るようになりました。風邪やインフルエンザの症状ではなかったので、1ヵ月ほど様子を見ていましたが、一向に回復しません。心配で医者に診てもらったところ、「高齢になり免疫力が衰えたのだろう」と告げられ、2週間分の...
百姓雑話

第337話 ラッキー

人は自然の猛威の前では無力ですが、自然は人をたくましく成長させてくれます。
百姓雑話

第336話 覚悟

去年の梅雨明けは記録的な早さでしたが、今年はほぼ毎日だらだらと雨が降り続きました。こんなにも雨の日が多かった梅雨は記憶にありません。そして、やっと梅雨が明けたら、例年どおり猛暑が一気に襲ってきました。猛暑を二十数年も乗り越えてきた私でも、年...
百姓雑話

第335話 なりたいようにさせる

もとより栽培は人為的です。より良いものをより多く収穫するための一連の行為です。「何もせずに、ただ収穫すればいい」というものではありません。農耕以前の採取あるいは狩猟とはまったく異なります。各種の農産物の栽培は、ほぼすべてのものに対して、各種...