鴇田 三芳

百姓雑話

第314話 命

師走ともなると冷え込んだ朝は、写真のように野菜の地上部がすべて凍りつく。人間であれば、さしずめ凍死状態である。しかし、越冬できる植物は、陽ざしを浴びると夕方までには命をふきかえす。かつて、自然農法を長く実践された故・福岡正信氏が「植物は神で...
百姓雑話

第313話 闇

もうじき冬至。日差しがもっとも弱い季節になり、4時半にはとっぷり暮れる。写真のように見事な夕焼けが南西の地平に広がると、夕暮れまで遊びまわっていた幼い日が昨日のことのように蘇る。戻れるならあの頃に戻りたいと思ってみても、しょせん叶わぬ虚しさ...
百姓雑話

第312話 精神

先月下旬、運転免許証を更新した。今回から、免許証の裏に臓器提供の意思を表わす欄があった。健康保険証と同じように提供の条件は、脳死でもOKか心臓停止の場合のみ提供するか、二者選択である。私は後者の心臓停止の場合のみを選んだ。脳死を認めていない...
百姓雑話

第311話 くり返される歴史、くり返せない歴史

春夏秋冬。季節はめぐり、もう師走になってしまった。年間を通じて日暮れがもっとも早い時期となり、今年も終わりという実感がひしひしとこみ上げてくる。熟れた柿に群れていたヒヨドリはどこかに渡り、近くの沼や池にはカモなどが北方から渡ってきた。真っ赤...
百姓雑話

第310話 生産革命

近年の産業界の激変を新たな産業革命と見ている人たちがいる。確かに激しい変化の真っただ中にあり、巨万の富を築く人がいれば、その一方で職を失う人が世界中であふれている。ところで、人類は生き抜くために必死に日々の営みを続けてきた。この絶え間ない営...