鴇田 三芳

百姓雑話

第200話 学びの先に

学ぶことは真似(まね)ることから始まる。明治維新の前後から、日本人は西洋文明を盛んに真似てきた。特に工業に関しては、「富国強兵」とか「脱亜入欧」などという勇ましいスローガンのもと、血眼になって物真似した。その姿勢は敗戦後の復興期にも引き継が...
百姓雑話

第199話 根と実

私の大好きな柿が今年は不作である。あのトロッと熟した柿は、おいしいだけでなく、ビタミンCやカロテンも豊富である。「柿が赤くなれば、医者は青くなる」という諺があるほど、柿は健康に良い。ところで、果樹には「隔年結果」という現象がよく現われる。特...
百姓雑話

第198話 教える? 教えない?

「知らぬが仏」というように、知らないほうが平穏に生きられることもある。現代のように通信ネットワーク上で瞬時に情報のやり取りができると、「そんなこと教えてもらいたくなかった」というようなことまで飛び込んでくる。それによって、悩みが増したり不安...
百姓雑話

第197話 面倒くさい

歳のせいもあってか、「面倒くさいなー」と思うことが増えてきた。だから、何のかんのと理屈をつけて、ついつい手抜きをする。もちろん、良い手抜きも必要な時があるものの、だいたい手抜きは悪い結果を招く。自分なりに反省し自戒もしていても、どうも改善で...
百姓雑話

第196話 未来を買う

未来は誰でも買える。自分の未来がどうなるのか誰もはっきりと予見できないものの、日常的に未来を買っている。日本でも経済が右肩上がりの時代は特に、個人も企業も国家も、社会全体で盛んに未来を買っていた。そして、そのことで生活の質が全般的に向上し便...