鴇田 三芳

百姓雑話

第175話 過去で生き、未来を喰いあらす

今だけで生きるのは、とても難しい。限りない欲望を満たすため、ついつい過去で生き、時には過去をむさぼり喰い、未来をも喰い荒して私たちは命をつないでいる。人類の歴史で、こんな貪欲な行為が世界規模で横行した時代はあったのだろうか。一つの典型的な例...
百姓雑話

第174話 学ぶ(1)

学びの春が来た。よく通る道沿いに小学校があり、ピカピカのランドセルを背負った子どもたちが、親に手を引かれ、ぞくぞくと校門をくぐっていった。よく見れば、どの子も同じような表情をしていない。楽しさを全身で表わしている子もいれば緊張ぎみの子どもも...
百姓雑話

第173話 食物が心身に与える影響(2)

前話では、食べ物が身体に与える影響を考えてみた。今話では、感情や思考などに及ぼす影響を考えてみたいのだが、このテーマについて学術的に語る能力を私は持っていないので、ここでは少ない知識を寄せ集めた推察になる。かつて、こんな映像をテレビで見たこ...
百姓雑話

第172話 食物が心身に与える影響(1)

私が幼い頃と比べると、日本人の顔や体の型が大きく変わったような気がする。外見上わかりやすいのは、顔の輪郭、歯の形と並びと数、鼻の形、脚の長さ、肌と髪の色、目の位置と瞼(まぶた)の形、腕の長さなどがある。これらのなかで、顔、歯、目、脚、鼻の変...
百姓雑話

第171話 命の季節

いたるところ花盛りである。真冬に咲くクリスマス・ローズから始まり、椿、パンジー、梅、もくれん、ろうばい、水仙、桜、桃、梨、そして林檎と、次々に咲いてくる。彼岸を過ぎると、畑の中も春一色になる。降水量が増え日差しが強くなるので、冬を越した野菜...