鴇田 三芳

百姓雑話

第170話 里芋

野生動物にとって冬は生きるか死ぬかの厳しい季節である。第10話「土を喰う」でも触れたが、今年も畑に混ぜ込んだ糠をヒヨドリなどが土ごと食べて命をつないでいる。本来ヒヨドリは肉食なので、糠をおいしいとは感じていないのだろうが、生き抜くためには必...
百姓雑話

第169話 不幸をビジネスにする

「未来兵器」、「歩兵装備」、「怒りの突破力」、「日本刀」、「真実の信長」。つい最近、これらの本がコンビニの本棚に並んでいた。それも、もっとも目につく位置にズラッと並べられていて、驚いた。今世紀に入り年々、世界がきな臭くなってきたが、その一端...
百姓雑話

第168話 服装

日頃あまり意識しないで服を着ている人も多いだろうが、服装はとても重要である。生きていく上で欠かせないものとして、昔から日本では「衣食住」と序列をつけている。これら3つの中でも、「衣」がもっとも生命維持に直結している。家がなくても、人は死なな...
百姓雑話

第167話 現代病

春3月、スギ花粉の季節が来た。農場はスギ林に囲まれていて、南寄りの強い風が吹くと、黄色い花粉が煙のように飛散し、野菜や施設の屋根などにも降り積もる。かれこれ40年以上もスギ花粉症に悩まされてきた私には、おぞましい光景である。芥川龍之介の小説...
百姓雑話

第166話 菌

「菌」という字を見て、あなたは何を連想するだろうか。医療従事者、理学系の学者や学生、健康に強い関心を持っている人たちなどは、いくつもの「菌」をすらすらと述べられるだろうが、ほとんどの人は菌のことをあまり意識していないではないだろうか。そして...