鴇田 三芳

百姓雑話

第130話 虐(しいた)げられた者が新しい時代を切り拓く(2)

人類は賢いか、それとも愚かなのか。難しい問いである。これから述べることは、どちらかと言えば「人類は賢い」という観点から考察した結果である。前話では、「いにしえより虐(しいた)げられてきた農民が搾取されない時代が来る」と述べた。その根拠として...
百姓雑話

第129話 虐(しいた)げられた者が新しい時代を切り拓く

恐竜などの大型動物が繁栄していた頃、哺乳類は、常に肉食動物に狩られる危険のなかで、ひっそりと生き続けてきたという。今のネズミのようなものであったかもしれない。その当時の哺乳類は、後々こんなにも繁栄する時代が来るとは、とても想像できなかったに...
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第128話 親の期待、子の希望

昭和36年、「農業基本法」が制定された。高度経済成長とともに拡大した農工間の所得格差の是正が最大の目的であった。この法律に基づき農地の基盤整備に多額の補助金が投じられるとともに、大型農機具の普及よって日本農業の近代化が一気に進められた。戦後...
百姓雑話

第127話 生産と消費

昔は多分、「消費者」という言葉はもちろん、「消費」という概念さえなかったかもしれない。江戸時代に「士農工商」という身分階級が確立されても、人口のほとんどは農民であったから、生産者と消費者を峻別する意味がなかったのであろう。ところが、工業製品...
百姓雑話

第126話 3つの「乏しい」と3つの「ない」

かつて、第69話の「七つの力」で、新規就農者が営農する際に必要な「力」について述べた。それらは、財力、体力、忍耐力、基礎学力、思考力、人間関係力、そしてコミュニケーション能力の7つである。これらの中で、特に必要と私が思っているのは、忍耐力、...