鴇田 三芳

百姓雑話

第105話 四配

「四配」は私の造語で、いつもこれを心にとめて営農してきた。一つ目の「配」は「目を配る」ことである。農薬を使わない農法では、とにかく観察が決め手である。日々、作物などに目配りし的確に状態を把握する。それを怠ると、害虫の餌食になり、病気に冒され...
百姓雑話

第104話 パパラギ

31歳の時、ある方から「パパラギ」という本を頂き、引き込まれるように一気に読んだ。サモアの酋長が、白人を「パパラギ」と呼び、訪問した宗主国のドイツと自国のサモアの社会や生活を比較し、彼の理想的な生き方を語っている。いわば文化人類学的な本であ...
百姓雑話

第103話 諸悪の根源

かつて日本は、朝鮮半島や台湾へ、中国へ、南アジアへと領土を拡張していった。そして今から72年前の今日、拡張した領土を維持するために、ハワイ真珠湾を奇襲した。本格的に日本が、アメリカに挑戦し始めた日である。冷静に考えれば、勝てる相手ではなかっ...
百姓雑話

第102話 異常気象と農業経営

今年は、夏から秋にかけ異常気象に何度も翻弄され、私たち皆生農園も苦労した。その影響で、秋から冬にかけて暴落しやすい野菜が今年は高どまりしている。被害をうけた農家はもちろん、消費者も大変である。ちなみに、生鮮野菜は2割品薄になると、末端価格は...
百姓雑話

第101話 農村と都市

いつの世も人類は、集団や社会を形成し、助け合い、力を合わせて生き延びてきた。しかしその一方で、武力や経済力、習慣や制度、法律や宗教、権威や権限などを駆使し、他者を搾取してきた。なぜなら、搾取すること、奪うことは生きることの本質に関わることだ...