鴇田 三芳

百姓雑話

第100話 サラリーマン農業は可能か

サラリーマンから農業に身を投じた人を「脱サラ農民」という。私もその一人であるが、世襲した農民と比べ、多くの障壁を越えなければならない。もっとも代表的な障壁は農地の入手である。市町村から農家と認められていない者が農地の購入や賃貸を希望しても、...
百姓雑話

第99話 人体実験

かつてイギリスに、エドワード・ジェンナーという医師がいた。天然痘の予防のために、牛からとったワクチンを使用人の息子に接種して、その効果を試した人である。もちろん現代では、動物実験の前に人間で試すことなど法的に許されるはずもない。そんな命がけ...
百姓雑話

第98話 農民の仕事

「農民の仕事は何ですか?」と問われて、皆さんは何と答えるだろうか。「農産物を作ること。」という答えが、多分、一番多いであろう。「農地を宅地に変えて販売し、巨額の不労所得を得ること。」と答える人も少なからずおられるだろう。あるいは、農業政策に...
百姓雑話

第97話 豊作貧乏

実りの秋、食欲の秋を迎えた。暑くなく寒くもなく、良い季節だ。この頃になると、種まきや定植がほぼ終わり、収穫の日々が続く。それまでの苦労が報われる気がする。しかしその一方で、秋には厳しい現実もある。豊作貧乏である。私は、豊作貧乏になると、「人...
百姓雑話

第96話 失敗を繰り返す

毎年この時期になると、来年の販売計画を立て、それにもとづき栽培計画を練り始める。そして、その前段として、前年の冬から今に至るまでの1年を振り返り、栽培などで失敗したことを箇条書きにする。細かなものまで入れると、20項目以上にもなってしまう。...