鴇田 三芳

百姓雑話

第33話 草も活かす

「農業は草とのたたかい」とよく言われる。実際そのとおりである。だから農家は、除草剤を散布し、トラクターで頻繁に農地を耕している。このような対策は農地を悪くするだけなのだが、これをやめた途端に農地は草ぼうぼうになり、放棄地となっていく。何世代...
百姓雑話

第32話 トマトの気持ちを知る

今年の露地トマトは季節外れの台風による厳しい試練をうけた。その直後、傷ついたところを一気に病気が広がっていった。そして、どうにか収穫できそうになったトマトを三度目の試練が襲った。カラスの大群が収穫直前の完熟トマトをすべて食べつくしてしまった...
百姓雑話

第31話 誰にでもできる3つの平和貢献(2)

9億2500万人。この数字をごぞんじだろうか。2010年、国連機関のWFPが公表した世界の飢餓人口である。人類の1割以上の人々が飢餓状態にあるという。その一方で、飽食のために太りすぎ、ダイエットに時間と費用と労力を惜しみなくついやす人々が非...
百姓雑話

第30話 風に吹かれて

梅雨が明けた。私の好きな季節がやっと来た。しかし、この季節を忌み嫌っている人のほうが多いだろう。節電のためにエアコンやクーラーの使用を控えている人たちも、いざ熱帯夜で眠れないと、理性が苦痛に変わるかもしれない。こんな季節でも、夕立の後に涼し...
百姓雑話

第29話 「つるぼけ」と少子化と太平洋戦争(1)

これらには、根源的な類似性があると私は思っている。今回は「つるぼけ」と少子化について述べてみたい。農場では今、さつま芋の蔓が四方八方にのび、すでに地面を覆い隠している。この時期にこれほど繁茂しているのは肥料と水が十分に効いている証拠である。...