第401話 春はそこまで

百姓雑話
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明日は立春。ラニーニャ現象も終わりつつあり、12月から真冬並みの寒さが続いた今冬も終わりが見え始めました。季節感が鈍くなった人間とは違い、植物は季節の移ろいにとても敏感です。春はそこまで来ています。

厳冬期をのりこえたブロッコリーが順調に花蕾(からい)をつけました。越冬ブロッコリーを従来の2倍くらい作付けたため、5月末まで切れ目なく供給できそうです。例年の2倍ほどの値がついているブロッコリーですので、お客様はきっと喜んでくれるでしょう。

早生玉ネギも春を感じています。地ぎわが肥大し始めました。健康上の理由―血液さらさら成分―から毎日食べたい玉ネギの収穫までもう少しもう少し。

ビニール・トンネル内のルッコラも収穫サイズになっています。あの独特のゴマ風味に魅了された妻や娘は、これまた嬉しいことでしょう。

ホウレン草は、厳冬期をのりきるために、地面に葉を広げ糖分をたっぷり蓄え、もっともおいしくなっています。そんなホウレン草は、4月の開花にむけて、これから徐々に上へと伸びていきます。

厳冬を生き延びるのはとても大変です。しかし、それをのりこえた先には必ず命の春が訪れます。

私は古希を過ぎ今年73歳になります。残りの人生は決して長くはないでしょう。であればこそ、ひと冬ふと冬を精一杯生き抜き、生かされている命を悔いなく使い切ろうと思っています。

(文責:鴇田 三芳)