鴇田 三芳

百姓雑話

第24話 小麦粉まじりの砂

日本は豊かである。本当に住みよい国である。この国に、この時代に暮らせたことは何よりの幸せである。世間では、日本は資源小国であると嘆く人が多い。とんでもない誤認識である。気候が穏やかで森林に恵まれ水に困らない我が国は資源大国である。電気、水道...
百姓雑話

第23話 ジャガ芋あれこれ

先月下旬、ジャガ芋に花が咲いた。白い花、紫の花、いずれも美しい。南米アンデス地方からヨーロッパにもたらされた後、広く観賞用として栽培されていたらしい。今週から収穫である。関東以南のジャガ芋の産地では、春から初夏にかけて出荷する。しかし、本来...
百姓雑話

第22話 甘い誘惑(1)

人は甘い誘惑に弱い。とっても弱い。悲しいくらい弱い。この世は、甘い誘惑に満ち満ちている。異性の誘惑、お金の誘惑、地位や名誉の誘惑、そして食べ物の誘惑。私も甘い誘惑に弱い。特に甘いお菓子には目がない。満腹になっても、夕食後の甘いものは別腹に入...
百姓雑話

第21話 アブラ虫とグレート・ジャーニー(2)

人生は旅である。人の一生は、長い人類の旅の短い途上である。皆生農園は、成田と羽田を離陸したジェット機がちょうどクロスする真下にある。多い時間帯では、1分に1機ほどの割合で飛び交う。私は、仕事の手を休め、ときどき見上げては、また一人旅に出たい...
百姓雑話

第20話 水は命

水は、実に不思議な物質である。酸素(O)の両脇に水素(H)が1個ずつ結合しているが、への字のように曲がってついている。きわめて特異的な結合のため、分子の周囲が電気をおびる。これが、水の不思議の原因であり、命の源となった理由と思われる。ところ...