甘い物はすぐにエネルギーになるためであろうか、ほとんどの人はおいしいと感じる。昆虫はもとより、犬や猫でさえ同じように感じているようである。賢いカラスも大好きで、先週の月曜に、台風被害から立ち直りかけていた収穫直前の完熟トマトを大群がすべて食べ尽くしてしまった。泣くに泣けないほど惨憺たる状況で、お客様に迷惑をかけてしまった。
さて本題。私も甘い物が大好きである。仕事柄お腹がすくので、午前と午後に甘いお菓子を間食し、とても甘い紅茶をたっぷり飲んできた。
しかし、去年から間食をやめた。お茶もごくわずかな砂糖を入れるだけにした。そのため、夕方の空腹感は半端じゃない。胃が「早く食べろ」ときりきりする。そこで試しに何回か、大好きな甘い菓子を夕方食べてみたら、何と胃がむかついた。また他にも、不思議な生理反応を感じるようになった。夕方になると、何とか餌にありつこうとする本能のためか頭は冴えわたるのだが、なぜか睡魔も襲うのである。血糖値が下がるためだろうか。やっと9時頃に夕食にありつけるのだが、胃が縮んでしまうせいか、食べる時間が長くなり、徐々に食べる量が減りつつある。こんな状態で、今年の夏を乗り切ることができるのか、少し不安である。
ところで、大好きな甘い物の間食をやめたのは、NHKの2つの番組を見たためだ。2011年5月18日放送の、ためしてガッテン「アンチエイジングだ!肌ホネ血管一挙に若く保つ方法」と、同年7月3日のNHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる」を見たからである。私にとっては、目から鱗が落ちるような番組であった。
前者の概略は、「人の体のタンパク質と食べ物から摂取した糖が糖化という反応を起こし、老化物質AGEを作りだす。この物質が作られる速度を遅くする食事のコツは、先に野菜を食べ、糖質は後から食べること。それによって、腸での糖の吸収がゆっくりとなり、血糖値の上昇が緩やかになる。したがって、糖化反応の速度が遅くなり、老化物質AGEが作られる速度も遅くなる」というものであった。
一方後者は、「すべての細胞の中にはミトコンドリアがあり、それが糖を分解してエネルギーを作り出している。加齢とともにミトコンドリアは誰でも衰えていくが、食事を控えて飢餓状態になるとサーチュリン遺伝子が発現しミトコンドリアを元気にする。すると、老化が遅くなり、寿命が延びる」という内容であった。
これらの食事法は、実行する本人の寿命を延ばすだけでなく、生産年齢の向上にもつながりそうである。医療費の削減にも寄与するかもしれない。
私の場合、番組のとおり実行してきたら、1年も経たないのに、40年来悩まされてきた花粉症がどうも軽減されたような気がする。この食事法を今後2、3年は続け、心身の変化を見ていこうと思っている。花粉症が明らかに改善されれば、わが人生の最大の難題が解決されることになる。特に寿命は延びなくていいのだが、花粉症だけでもどうにか改善したい。
(文責:鴇田 三芳)