鴇田 三芳

百姓雑話

第6話 空気:スギ花粉の問題

「スギも命の危機を感じているからでしょうね」と、ボランティアの阿部さんが指摘された。生き物は、命の危機を感じると子孫をたくさん残そうとする。野菜ではよくある現象だ。人間も同じであると私は思っている。難民キャンプでその日暮らしを続けている人々...
百姓雑話

第5話 真冬の積雪

先週、関東圏でも積雪があった。降りはじめには稲光が走った。日本海側では、冬の雷はよくあるそうだが、関東では珍しい。11月下旬に雷鳴とともに雹が降ったことはあるが、真冬の雷は記憶にない。大寒の頃から、偏西風が南下し、日本付近で大きく蛇行してい...
百姓雑話

第4話 光の春

昨日が大寒であった。関東地方では、この頃から2月中旬頃までがもっとも気温の低い時期だ。特にこの冬は近年になく寒い。ひと冬分の寒さをもう体感した気がする。温暖化に慣れたためか、作物の寒さ対策がつい後手に回ってしまった。 しかし気温は低くても、...
百姓雑話

第3話 ホトケノザ

寒の内というのに、陽だまりではホトケノザが満開である。 名前の由来は仏様が座っておられる台座に葉の形が似ているらしい。この草は、その形だけでなく、情け深い点からも仏様のようだ。というのも、寄生したアブラ虫を養い越冬させるからだ。アブラ虫にと...
百姓雑話

第2話 空気

人は空気を吸う。ごく当たり前のことである。生まれたばかりの赤ちゃんでも、何よりも先に呼吸しようと努力する。生死がかかっている。生きるうえで空気がもっとも重要である。食の安全性よりも重要であると私は思っている。 では、私たち大人はどうであろう...