鴇田 三芳

百姓雑話

第9話 信じる

農薬をかけることを「防除」という。「防」には、病気や害虫が発生していなくても定期的に農薬を使い、その発生を未然に防ぐ意味合いが込められている。また「除」には、病気や害虫が発生したら間髪いれずに農薬をかけ、被害の拡大を阻止するという意味で使わ...
百姓雑話

第8話 三つ子の魂百までも

今日は24節季の「雨水」。この頃から、寒さも緩みはじめ、雨もそこそこ降るようになる。私どもでは、ハウス栽培をしていないので季節の移ろいに合わせ、この頃から頻繁に種をまく。ほうれん草、小松菜、レタス、ブロッコリー、キャベツなどの葉菜類に加え、...
百姓雑話

第7話 血-その1

インフルエンザが流行しているという。自分も今、不覚にも何年かぶりにかかってしまった。体にこたえる作業は研修生にお願いし、楽な作業をしながら薬を飲まずに治すつもりだ。一体どうして、こんなにも流行してしまうのだろうか。私は露地トマトの有機栽培に...
百姓雑話

第6話 空気:スギ花粉の問題

「スギも命の危機を感じているからでしょうね」と、ボランティアの阿部さんが指摘された。生き物は、命の危機を感じると子孫をたくさん残そうとする。野菜ではよくある現象だ。人間も同じであると私は思っている。難民キャンプでその日暮らしを続けている人々...
百姓雑話

第5話 真冬の積雪

先週、関東圏でも積雪があった。降りはじめには稲光が走った。日本海側では、冬の雷はよくあるそうだが、関東では珍しい。11月下旬に雷鳴とともに雹が降ったことはあるが、真冬の雷は記憶にない。大寒の頃から、偏西風が南下し、日本付近で大きく蛇行してい...