百姓雑話

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第316話 青春の残り火

厳寒の朝、森から昇る初日の出を拝んだ。まさに光の世紀を象徴するかのような光景に感動しながら、新年を迎えられた。今や世界は新たなエネルギー革命に突入した。木から石炭へ、石炭から石油へとエネルギー・シフトしてきた人類が、石油から電気へと一気に舵...
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第315話 根

先日、人参を掘っていたら、写真のようなものがあった。今年は夏から秋にかけて雨量が多かったため、上の人参は腐ってしまったのだろう。それでも、生き延びて春に花を咲かせようと、たくさんの根を新たに生やしている。一般的に、花を見て「きれいだな」と思...
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第314話 命

師走ともなると冷え込んだ朝は、写真のように野菜の地上部がすべて凍りつく。人間であれば、さしずめ凍死状態である。しかし、越冬できる植物は、陽ざしを浴びると夕方までには命をふきかえす。かつて、自然農法を長く実践された故・福岡正信氏が「植物は神で...
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第313話 闇

もうじき冬至。日差しがもっとも弱い季節になり、4時半にはとっぷり暮れる。写真のように見事な夕焼けが南西の地平に広がると、夕暮れまで遊びまわっていた幼い日が昨日のことのように蘇る。戻れるならあの頃に戻りたいと思ってみても、しょせん叶わぬ虚しさ...
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第312話 精神

先月下旬、運転免許証を更新した。今回から、免許証の裏に臓器提供の意思を表わす欄があった。健康保険証と同じように提供の条件は、脳死でもOKか心臓停止の場合のみ提供するか、二者選択である。私は後者の心臓停止の場合のみを選んだ。脳死を認めていない...