百姓雑話

百姓雑話

第311話 くり返される歴史、くり返せない歴史

春夏秋冬。季節はめぐり、もう師走になってしまった。年間を通じて日暮れがもっとも早い時期となり、今年も終わりという実感がひしひしとこみ上げてくる。熟れた柿に群れていたヒヨドリはどこかに渡り、近くの沼や池にはカモなどが北方から渡ってきた。真っ赤...
百姓雑話

第310話 生産革命

近年の産業界の激変を新たな産業革命と見ている人たちがいる。確かに激しい変化の真っただ中にあり、巨万の富を築く人がいれば、その一方で職を失う人が世界中であふれている。ところで、人類は生き抜くために必死に日々の営みを続けてきた。この絶え間ない営...
百姓雑話

第309話 失業と農業

アマゾンが無人のコンビニに進出するという。日本のコンビニ業界も同様に無人化を進めようとしている。産業革命以来の機械化の流れを背景とした、IoTと安価なICタグのなせる技だろう。また、ドライバー不足で運賃を値上げした運送業界も、自動運転を急速...
百姓雑話

第308話 幸福の反対側に

私は、就農する以前は、主に海外で援助活動をする民間団体(NGO:Non-Governmental Organization)で働いていた。開発途上国の抑圧されている人々や難民を支援する組織である。そこでの活動中に、ある種の使命感とともに、罪...
百姓雑話

第307話 農業を楽しむ(2)

「農業が性に合っている」とか、「農作業が好きだ」という農民は非常に多いと思われる。でなければ、肉体的にきつく天候に振り回され、その挙句、さして儲かりもしない、そんな職業など続けられない。だが一体、「生業としての農業が楽しい」と思っている農民...