百姓雑話

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第313話 闇

もうじき冬至。日差しがもっとも弱い季節になり、4時半にはとっぷり暮れる。写真のように見事な夕焼けが南西の地平に広がると、夕暮れまで遊びまわっていた幼い日が昨日のことのように蘇る。戻れるならあの頃に戻りたいと思ってみても、しょせん叶わぬ虚しさ...
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第312話 精神

先月下旬、運転免許証を更新した。今回から、免許証の裏に臓器提供の意思を表わす欄があった。健康保険証と同じように提供の条件は、脳死でもOKか心臓停止の場合のみ提供するか、二者選択である。私は後者の心臓停止の場合のみを選んだ。脳死を認めていない...
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第311話 くり返される歴史、くり返せない歴史

春夏秋冬。季節はめぐり、もう師走になってしまった。年間を通じて日暮れがもっとも早い時期となり、今年も終わりという実感がひしひしとこみ上げてくる。熟れた柿に群れていたヒヨドリはどこかに渡り、近くの沼や池にはカモなどが北方から渡ってきた。真っ赤...
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第310話 生産革命

近年の産業界の激変を新たな産業革命と見ている人たちがいる。確かに激しい変化の真っただ中にあり、巨万の富を築く人がいれば、その一方で職を失う人が世界中であふれている。ところで、人類は生き抜くために必死に日々の営みを続けてきた。この絶え間ない営...
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第309話 失業と農業

アマゾンが無人のコンビニに進出するという。日本のコンビニ業界も同様に無人化を進めようとしている。産業革命以来の機械化の流れを背景とした、IoTと安価なICタグのなせる技だろう。また、ドライバー不足で運賃を値上げした運送業界も、自動運転を急速...