百姓雑話

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第308話 幸福の反対側に

私は、就農する以前は、主に海外で援助活動をする民間団体(NGO:Non-Governmental Organization)で働いていた。開発途上国の抑圧されている人々や難民を支援する組織である。そこでの活動中に、ある種の使命感とともに、罪...
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第307話 農業を楽しむ(2)

「農業が性に合っている」とか、「農作業が好きだ」という農民は非常に多いと思われる。でなければ、肉体的にきつく天候に振り回され、その挙句、さして儲かりもしない、そんな職業など続けられない。だが一体、「生業としての農業が楽しい」と思っている農民...
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第306話 知足者富

私が就農を決意したきっかけは故・福岡正信氏に出会ったことである。氏は現代の老子と評されていた。アフリカのソマリア訪問をお伴させていただいた際、老子などまったく知らなかった私は、残念ながら、氏を深く理解できなかった。その老子の言葉に「知足者富...
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第305話 横暴な臓器

私の国民健康保険証の裏には、臓器提供の可否を記入する欄がある。火葬場でただ燃やされるだけでは、臓器異常で苦しんでいる人たちに申し訳ないので、提供欄のすべてに丸をつけている。たくさんの人たちに助けられ、どうにか大病せずに生きてこられた感謝のつ...
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第304話 災害立国

今年は台風被害が今のところ1回で済んでいる。それも、事前に対策をとっていたので暴風被害は比較的軽微で、運の良い年である。9月からの天候の推移も穏やかで、秋冬野菜が順調に育っている。だからと言って、まだまだ安心できない。例年なら彼岸ごろに満開...