百姓雑話

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第39話 草との付き合い(1)

彼岸を過ぎ、長引いた残暑もやっと終わりつつある。この頃になると、夏草との闘いがほぼ終わり、「今年もどうにか乗り切れそうだ」と安堵する。ところで、昔から農民は、草を忌み嫌い、「草にするのは1年、草取りは10年」とよく言った。「ひとたび草の種を...
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第38話 癌と生きる(1)

癌は、自らの細胞が異常をきたす、究極の病気である。その原因はいろいろあるという。有害物質の飲食や不適切な食生活、およびタバコなどの有害物質の吸引が主なものだが、ウィルスや細菌の感染、紫外線や放射線の被爆なども原因となっている。日本における死...
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第37話 薬依存

年間でもっとも殺虫剤がまかれる季節が来た。私どもの畑では、農薬を散布しないので、周辺の農地から避難してきた害虫がうようよいる。今夏は、雨不足のために、ヨトウムシの発生は遅れているが、カメムシは逆に群れをなしている。とにかくカメムシは、ヨトウ...
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第36話 男は女の付属物?(1)

カボチャは、ウリ科の作物なので、一つの株に雌花と雄花が咲く。丈夫な苗を畑に植え生育環境が良ければ、雌花と雄花がほぼ同時期に咲き始める。ところで、今から20年ほど前、陽ざしが強くなったゴールデン・ウィーク、不思議な現象に気づいた。苗に十分な水...
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第35話 食の旬、収穫の旬

「大根、ないんですか?」 数日前、ある店舗の地場野菜コーナーに研修生T君が野菜を並べている時、初老のご婦人から声をかけられた。どうせ買うなら地場産のものが良いと思って来られたのだろうが、この地方では真夏に大根は採れない。その方の気持ちは十分...