社会・政治

百姓雑話

第163話 中国(1)

30年ほど前から、私は中国がとても気になってきた。きっかけは、アフリカから帰国する機内で読んだ中国史の文庫本である。ただ記憶させるだけの学校の歴史教科書とは違い、悠久の歴史が現代にいきいきと蘇ってきそうな本であった。その数年後、中国経由でケ...
百姓雑話

第156話 高い健康から安い健康へ

今年の秋はとても暖かかった。記録的な暖かさが続いたため、野菜がすくすく育ち、ほうれん草や小松菜などの葉物野菜が例年より3週間以上も早く採れた。その結果、スーパーなどの野菜の値段が暴落している。収穫したくなくなるくらい、とにかく安い。マスコミ...
百姓雑話

第155話 新たなグレート・ジャーニー

初冬の冷たい北風が吹く日、近くの大きな調整池に鴨が飛来した。長旅の疲れをいやすかのように、風に揺れてキラキラ輝く陽だまりをゆっくり泳いでいる。鴨の体を人間に換算すれば、世界一周くらいの距離を飛んで来るのだろうか。その旅は、まさに生き延びるた...
百姓雑話

第154話 姥捨て山

「姥捨て山」という民話がある。あまりの貧しさに老人を山奥に捨ててしまう話しで、いわゆる「口減らし」の風習を描いている。家族や集団が生き延びるための究極の選択とはいえ、悲しい風習である。かつて難民キャンプで見た光景も同じで、まず働き盛りの男性...
百姓雑話

第147話 三「毒」

私たちの身の回りには、少なくても三種類の毒がある。空気毒、飲食毒、環境毒である。半月ほど前に御嶽山が噴火したが、その際に硫化水素が大量に噴出された。人命をいとも簡単に奪う有毒ガスであるが、幸い私たちの日常にはほとんど存在していない。いま私た...