栽培

百姓雑話

第39話 草との付き合い(1)

彼岸を過ぎ、長引いた残暑もやっと終わりつつある。この頃になると、夏草との闘いがほぼ終わり、「今年もどうにか乗り切れそうだ」と安堵する。ところで、昔から農民は、草を忌み嫌い、「草にするのは1年、草取りは10年」とよく言った。「ひとたび草の種を...
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第35話 食の旬、収穫の旬

「大根、ないんですか?」 数日前、ある店舗の地場野菜コーナーに研修生T君が野菜を並べている時、初老のご婦人から声をかけられた。どうせ買うなら地場産のものが良いと思って来られたのだろうが、この地方では真夏に大根は採れない。その方の気持ちは十分...
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第34話 「つるぼけ」と少子化と太平洋戦争(2)

8月15日。今から67年前、欧米列強に日本帝国が敗れた日である。今回は、第29話の続きである。「つるぼけ」と太平洋戦争の類似点を探ってみたい。生き物には、栄養成長と生殖成長という2つの成長過程がある。これら2つの過程を簡単に言えば、栄養成長...
百姓雑話

第33話 草も活かす

「農業は草とのたたかい」とよく言われる。実際そのとおりである。だから農家は、除草剤を散布し、トラクターで頻繁に農地を耕している。このような対策は農地を悪くするだけなのだが、これをやめた途端に農地は草ぼうぼうになり、放棄地となっていく。何世代...
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第32話 トマトの気持ちを知る

今年の露地トマトは季節外れの台風による厳しい試練をうけた。その直後、傷ついたところを一気に病気が広がっていった。そして、どうにか収穫できそうになったトマトを三度目の試練が襲った。カラスの大群が収穫直前の完熟トマトをすべて食べつくしてしまった...