社会・政治

百姓雑話

第116話 安全とコスト

安全の確保にはコストがかかる。残念ながら、それが現実である。社会が豊かになり複雑になるにつれ、安全コストが膨らんできた。 30年以上も昔になるが、仕事でアフリカに向かう途中、乗り継ぎでインドのデリーに立ち寄った。空港内のトイレで用をたし始め...
百姓雑話

第112話 動脈産業と静脈産業

つい最近、こぎれいな服装の若い女性が廃品回収している光景を目にした。初めてである。鉄くずや壊れた機械などを回収する廃品回収業者といえば、中高年の男性と相場が決まっていた。もし若い女性がこの業界にも進出してきたのであれば、とても好ましいことで...
百姓雑話

第108話 危機を感じて

この季節になると、野鳥の種類がめっきり減り、何か寂しくなる。よく目につくのはカラスくらいである。大小さまざまな鳥が冬を生き抜くために、南方へ渡ってしまったからである。はるか数千キロもの南方へ、その身ひとつで渡る小鳥がとても偉大に思える。 と...
百姓雑話

第95話 桃源郷

私は田舎の農村で生まれ育った。どの家の屋敷にもいろいろな果樹が植えられ、ほぼ一年中どこかに果物がなっていたていた。それは、まるで村全体が桃源郷のようであった。現代のように甘いお菓子やケーキがあるはずもない田舎では、四季折々の果物が子どもたち...
百姓雑話

第87話 目先の善、将来の悪

立秋の7日から今年2度目の夏が来て、毎日厳しい暑さが続いている。畑の土はパサパサである。お天気任せの露地栽培とはいっても、水をたくさん要求する胡瓜などは水不足で収穫量がかなり減ってしまった。また、これから秋にかけてブロッコリーやキャベツなど...