農業の現実

百姓雑話

第128話 親の期待、子の希望

昭和36年、「農業基本法」が制定された。高度経済成長とともに拡大した農工間の所得格差の是正が最大の目的であった。この法律に基づき農地の基盤整備に多額の補助金が投じられるとともに、大型農機具の普及よって日本農業の近代化が一気に進められた。戦後...
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第125話 富を生まない借金

前話に続き、農村の現実を知っていただきたい。 私の住んでいる市は梨の生産量がとても多い。千葉県下でも有数の生産地である。我が家の近くにも大きな梨園があり、右の写真のように、春先から秋にかけ「SS」という農薬散布機がもうもうと農薬を噴き上げて...
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第124話 「やりたい事」と「やるべき事」

大きい組織で働こうが小さい組織で働こうが、あるいは一人で働く場合でも、仕事に一生懸命とりくむと、なぜか「やりたい事」よりも「やるべき事」のほうが多くなりやすい。「あれもやりたい、これもしてみたい」と思っていても、目の前には「やるべき事」が次...
百姓雑話

第122話 チャレンジとミス

人はなぜか失敗を何度も、何度も、何度も繰り返す。私も、還暦を過ぎ人生を振り返ると、失敗や過ちの連続であったことに気づかされる。そのほとんどを思い出せないほどである。それらに比べたら、成功体験など微々たるものである。 かつて第96話の「失敗を...
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第118話 機械化と農業

人類が築いてきた文明には、際立った特徴がいくつかある。まず文明は、争いや戦争を引き起こし、無数の戦死者を礎に発達してきた。これは学校での歴史教育の中で、嫌というほど教えられる。二つ目は、農耕の普及によって自然をとめどなく破壊してきた。文明の...