社会・政治

百姓雑話

第86話 敵は誰だ?

私は、いわゆる「脱サラ」農民である。アフリカのソマリアにあった難民キャンプで働いていた時に食料生産の重要性を再認識し、今に至っている。 経験や知識の乏しい駆け出しの頃、有機農業の手法をいろいろ教えてくださった方から、「俺たち農家の敵は誰だか...
百姓雑話

第81話 毒を喰う

ハウス栽培であれば雨の影響を受けないのだが、露地栽培はお天気次第である。雨でぬかるんだ泥に足をとられ、カッパの中を汗が流れ落ちる。収穫した野菜は泥で汚れ洗わなければならなくなる。そんな辛い作業の最中に、「こんな雨がエチオピアのアビシニア高原...
百姓雑話

第77話 資本主義の衰退(1)

人それぞれに主義・主張があり、世に○○主義というものが溢れている。数ある主義の中でも、身近な主義の最大公約数を挙げると、自由主義、個人主義、民主主義、資本主義、共産主義などがある。かつては帝国主義なども幅を利かせていた。近年ではグローバリズ...
百姓雑話

第68話 未来に何を残せるのか

ピカピカのランドセルを背負った子どもらがスクール・バスに乗り込んでいく。皆生農園のある地区にはかつて分校があったが、少子化と転出の影響で、小学生は本校までバスで通学している。楽しそうにバスに乗り込む子らを見ていると、片道30分もかかる道のり...
百姓雑話

第65話 「安全」が「危険」を生む

「良い子のみなさん、もう家に帰る時間ですよ。・・・・・」。夕方になると、市役所の防災行政無線が鳴り響いていた。数年前から内容が変わったが、こんな放送が長年続けられてきた。へそ曲がりの私は、「早く家に帰る子は良い子で、なかなか家に帰らない子は...