農業の現実

百姓雑話

第117話 日本の有機農産物はなぜ高いのか

昨年末、神戸から電話が入った。来年オープンするカフェで有機栽培の野菜をぜひ使いたく宅配してもらえるか、という話しであった。千葉から送ると送料が高くつくので地元で仕入れることを勧めたところ、地元では手ごろな値段で買えないと嘆いていた。 日本で...
百姓雑話

第111話 農家は何を売るのか?

「農家は何を売るのか?」と問えば、「農産物を売るのに決まってるじゃないか」と言われてしまいそうである。確かに、もっとも妥当な答えである。しかし、もしプロの農家がこのような返答にとどまるようであれば、何か物足りなさを感じてしまうのは私だけだろ...
百姓雑話

第110話 農業で喰う(1)

突然ガンで亡くなった母に生前、一生苦労するような農家にどうして嫁いできたのか尋ねたことがある。その答えは「農家なら一生喰いっぱぐれがないと思ったから。」という簡潔なものであった。戦前の時代背景からすれば、もっともな理由である。 ところが、時...
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第103話 諸悪の根源

かつて日本は、朝鮮半島や台湾へ、中国へ、南アジアへと領土を拡張していった。そして今から72年前の今日、拡張した領土を維持するために、ハワイ真珠湾を奇襲した。本格的に日本が、アメリカに挑戦し始めた日である。冷静に考えれば、勝てる相手ではなかっ...
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第101話 農村と都市

いつの世も人類は、集団や社会を形成し、助け合い、力を合わせて生き延びてきた。 しかしその一方で、武力や経済力、習慣や制度、法律や宗教、権威や権限などを駆使し、他者を搾取してきた。なぜなら、搾取すること、奪うことは生きることの本質に関わること...