農業の現実

百姓雑話

第52話 時代は確実に変わりつつある

去年の1月から研修してきた青年、望月一彦さんが10月から独立した。皆生農園で今年起きたもっとも喜ばしいことである。前職がガラス職人であったためか、とても器用で、農業施設や水道の工事なども十分こなした。ただ、農作業ともなると、経験がほとんどな...
百姓雑話

第43話 農地は誰のものか?(2)

土地は、お金さえあれば、誰でも自由に買える。農地も、農家か農家出身者であれば原則的に誰でも買える。しかし農家でない者が、農業をしようと猛勉強し資金をいくら用意しても、農地は容易に買えない。借りることさえままならず、農家になるには高いハードル...
百姓雑話

第42話 農地は誰のものか?(1)

耕作放棄地が増え続け、埼玉県ほどの面積になっている。農林水産省の報告書には、「耕作放棄地はこの20年間増加しています。耕作放棄地面積は、昭和60年までは、およそ13万haで横ばいでしたが、平成2年以降増加に転じ、平成22年には39.6万ha...
百姓雑話

第37話 薬依存

年間でもっとも殺虫剤がまかれる季節が来た。私どもの畑では、農薬を散布しないので、周辺の農地から避難してきた害虫がうようよいる。今夏は、雨不足のために、ヨトウムシの発生は遅れているが、カメムシは逆に群れをなしている。とにかくカメムシは、ヨトウ...
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第14話 性格の壁

いろいろな方々が農業研修を希望し訪ねてこられた。その人たちに何を学びたいのか尋ねると、栽培技術を学びたいという答えが圧倒的に多い。私も、今から20年以上前に研修を受ける時、そう思っていた。確かに有機栽培の技術は、農薬や化学肥料を使う慣行栽培...