その他

百姓雑話

第209話 四つの平等は

暮れも押しつまり、暖冬とはいえ、寒さが身にしみる。農作業を終え家路につく頃は、もう真っ暗である。澄み切った夜空に輝く星たちを見上げると、難民キャンプでの生活を思い出すことがある。 そこには電気がなかったので、日が落ちると一気に暗くなる。無数...
百姓雑話

第197話 面倒くさい

歳のせいもあってか、「面倒くさいなー」と思うことが増えてきた。だから、何のかんのと理屈をつけて、ついつい手抜きをする。もちろん、良い手抜きも必要な時があるものの、だいたい手抜きは悪い結果を招く。自分なりに反省し自戒もしていても、どうも改善で...
百姓雑話

第179話 美しい日本

森や林が美しい。 私どもの農場がある地域は、都市化をまぬがれたため、森林がいたるところに残っている。5月の連休頃は、常緑樹の深緑と落葉樹の若葉色とのコントラストが鮮やかで、それらを眺めているだけでも心が癒される。時間とお金をかけてまで、自然...
百姓雑話

第177話 命の季節(2)

1週間ほど前、レタス畑の通路にウグイスがいた。うまく飛べない。巣から飛び出したばかりの若鳥と思われる。畑の裏手が深い森になっていて、春先からウグイスのさえずりが聞こえていたので、そのつがいの雛なのだろう。研修生とともに、その若鳥の前にたたず...
百姓雑話

第171話 命の季節

いたるところ花盛りである。真冬に咲くクリスマス・ローズから始まり、椿、パンジー、梅、もくれん、ろうばい、水仙、桜、桃、梨、そして林檎と、次々に咲いてくる。 彼岸を過ぎると、畑の中も春一色になる。降水量が増え日差しが強くなるので、冬を越した野...