農業の現実

百姓雑話

第264話 養豚場(2)

表題のとおり、今回は前話の続きである。 生きた豚を見たことのない人のために、農家で育った私が豚に成り代わって、少しばかり豚の紹介をしたい。 「おれ達はなかなかの綺麗好きだ。にもかかわらず、豚舎はどこも汚い。狭苦しく、異臭を放つ。もちろん、す...
百姓雑話

第257話 安定と不安定

今年は秋以降、野菜の値段が高騰しています。どこかの自治体では、その影響で給食費が不足し、給食の出ない日を設ける事態になりました。それでも結局、保護者が弁当を持たせれば、家計からの出費がかさむのは同じなのですが。こんな事態を招いたのは秋の天気...
百姓雑話

第240話 農産物とペット

よく「自然を大切に」と言われますが、人の手が入っていない自然というのは、少なくとも日本ではかなり少なく、人が何らかの形で自然環境に働きかけてできてきたものがほとんどです。日本の原風景である里山の雑木林は燃料の薪や堆肥用の落ち葉、山菜や茸をと...
百姓雑話

第235話 売る側の都合、買う側の都合

今から10年ほど前、私が主催していた「有機農業の短期研修」に千葉県野田市から一人の青年も参加されました。新規就農して間もない方で、おもに某大手ポテトチップス・メーカー用のジャガ芋を無農薬栽培で生産しているとのことでした。話しをいろいろ聞いて...
百姓雑話

第232話 投資の減退

政府は異例の金融緩和を続けています。他人にお金を貸すと、利子をもらえるどころか、逆にお金を取られるような政策が、貨幣経済が浸透して以降、一度たりともなかったように思います。何かこの政策は、有史以来はじめての人口の自然減に似ていませんか。 政...