農業の現実

百姓雑話

第277話 サラリーマン時代の終焉(1)

世間ではピカピカのサラリーマンが働き始めている。彼らの一体どれほどがサラリーマンとして生き残れるのだろうか。すでにサラリーマンの1/3は、正社員ではなく、身分が不安定で給与が低く抑えられている。これらの人々は、「雇用され給与をもらう」という...
百姓雑話

第275話 徹底する

霞を喰っている仙人か万物を悟った聖人でもない限り、人は誰でも何らかのこだわりを持って生きている。そして、こだわりは、欲望と知識と体験に裏打ちされた、一つの重要な自己表現であり、各人のアイデンティティーと見ることができる。人類は高度な知能を持...
百姓雑話

第274話 新たな選択肢

私は、学校を卒業した後、5年ほどM電機という電子部品を製造する会社で働いた。入社後3か月の仮採用期間は、製造部門で製品の組み立てに従事した。ベルト・コンベアーに乗ってくる製品に自分の担当する部品を次々と組み込んでいく。1秒単位のスピードが要...
百姓雑話

第265話 養豚場(3)

畜産業、とりわけ日本のそれは根深い問題をいくつもかかえている。例えば、人間が食べる穀類との競合、石油依存、そして畜産農家の犠牲は深刻な問題である。まず、単純な質問から話を始めたい。それは「豚は何を食べるのか?」という問いである。たぶん、「餌...
百姓雑話

第264話 養豚場(2)

表題のとおり、今回は前話の続きである。生きた豚を見たことのない人のために、農家で育った私が豚に成り代わって、少しばかり豚の紹介をしたい。「おれ達はなかなかの綺麗好きだ。にもかかわらず、豚舎はどこも汚い。狭苦しく、異臭を放つ。もちろん、すき好...