農業の現実

百姓雑話

第195話 心の支え

天職と思って始めた農業だが、毎年この頃になると心が折れそうになる。「もう農業をやめたい。サラリーマンとして現金収入を得ながら、家庭菜園でのんびり野菜を作り快い汗を流すほうがいい」と今まで何度も思った。語り尽くせぬ苦労と多額の投資の末にやっと...
百姓雑話

第194話 稲作

稲刈りが始まった。黄金色の稲穂が北寄りの涼しい風に揺れている。瑞穂の国を象徴するような光景である。幸いにも、今年は台風の被害がなかったので、おいしい良質米がきっと採れるだろう。 ところで、農業は「装置産業」と言われることがある。今では、昔の...
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第193話 4つの資源(2)

このところ、中国の経済に急ブレーキがかかり始めた。そのため、石油をはじめとする、鉱物資源の価格が下落し続けている。今後、数年前のように石油が再び値上がりするかと言えば、それは多分ありえない。なぜなら、急拡大してきた中国経済は、あまりにも投資...
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第186話 無理な要求、勝手な押しつけ(1)

今や日本人は冬でもサラダを食べる。ほとんどの人たちが、たぶん、何の疑問も持たず食べているのだろう。スーパーに行けば、ほぼ全ての農産物が一年中売られている。それを可能にしたのが、ハウス栽培の普及、品種の多様化、産地リレー、輸送手段の高度化、輸...
百姓雑話

第185話 適正規模

梅雨のまっ最中である。今年の関東地方は空梅雨ぎみであったが、先月下旬から、やっと梅雨らしくなった。エルニーニョ現象が起きているので、たぶん今年の梅雨明けは相当遅れそうである。 この時期の悩みの種は病気と雑草である。どちらも高温多湿の状況が大...