仕事をするうえで、日頃から私がもっとも気をつかい考えをめぐらすことは４つあります。
①半年くらい先の気候から数時間先までの天気の推移、
②作付け計画や野菜の生育状況、天気や人手、収穫量や販売量などの状況から１週間先くらいまでの段取り、
③失敗やミスをおかしたり、期待外れや予想外の事態などが発生した場合の対処、
④従業員や研修生に対する言動、です。
毎日あれこれ考えなければなりませんが、経験と慣れから④以外は特に苦になりません。考えがまとまれば、後は単純作業を淡々とくりかえすのみです。
「無農薬栽培は難しいでしょう」とお客さんに言われることがあります。昔なら「そうですね。よく失敗します」と答えていました。失敗を山ほどくりかえし、悩み、いろいろなことを試してみました。考えが頭の中をどうどうめぐりし、なかなか寝つけなかったことも。
しかし近年は、「特に難しくはありません」と答えることにしています。作り慣れた野菜なら、どうやれば失敗しないか分かったからです。上述の①から③を習慣化し、やるべき単純作業をただ淡々とこなせば、大きな失敗は避けられます。
思えば、「生きることは同じことを淡々とくりかえすこと」ではないでしょうか。母の胎内に受胎したときから命つきるまで、細胞分裂と細胞死をくりかえし、心臓も肺も腎臓も肝臓も胃も腸も・・・・・・・・、淡々と同じことをくりかえしています。
（文責：鴇田 三芳）
