農業の現実

百姓雑話

第274話 新たな選択肢

私は、学校を卒業した後、5年ほどM電機という電子部品を製造する会社で働いた。入社後3か月の仮採用期間は、製造部門で製品の組み立てに従事した。ベルト・コンベアーに乗ってくる製品に自分の担当する部品を次々と組み込んでいく。1秒単位のスピードが要...
百姓雑話

第265話 養豚場(3)

畜産業、とりわけ日本のそれは根深い問題をいくつもかかえている。例えば、人間が食べる穀類との競合、石油依存、そして畜産農家の犠牲は深刻な問題である。 まず、単純な質問から話を始めたい。それは「豚は何を食べるのか?」という問いである。たぶん、「...
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第264話 養豚場(2)

表題のとおり、今回は前話の続きである。 生きた豚を見たことのない人のために、農家で育った私が豚に成り代わって、少しばかり豚の紹介をしたい。 「おれ達はなかなかの綺麗好きだ。にもかかわらず、豚舎はどこも汚い。狭苦しく、異臭を放つ。もちろん、す...
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第257話 安定と不安定

今年は秋以降、野菜の値段が高騰しています。どこかの自治体では、その影響で給食費が不足し、給食の出ない日を設ける事態になりました。それでも結局、保護者が弁当を持たせれば、家計からの出費がかさむのは同じなのですが。こんな事態を招いたのは秋の天気...
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第240話 農産物とペット

よく「自然を大切に」と言われますが、人の手が入っていない自然というのは、少なくとも日本ではかなり少なく、人が何らかの形で自然環境に働きかけてできてきたものがほとんどです。日本の原風景である里山の雑木林は燃料の薪や堆肥用の落ち葉、山菜や茸をと...