文明・歴史

百姓雑話

第310話 生産革命

近年の産業界の激変を新たな産業革命と見ている人たちがいる。確かに激しい変化の真っただ中にあり、巨万の富を築く人がいれば、その一方で職を失う人が世界中であふれている。 ところで、人類は生き抜くために必死に日々の営みを続けてきた。この絶え間ない...
百姓雑話

第305話 横暴な臓器

私の国民健康保険証の裏には、臓器提供の可否を記入する欄がある。火葬場でただ燃やされるだけでは、臓器異常で苦しんでいる人たちに申し訳ないので、提供欄のすべてに丸をつけている。たくさんの人たちに助けられ、どうにか大病せずに生きてこられた感謝のつ...
百姓雑話

第290話 結(ゆ)い

大津波が東北地方の沿岸部を急襲した後、「絆」という言葉が若者にも語られるようになった。その若者たちのほとんどは、スマホを片手にインターネットで瞬時につながるバーチャル・リアリティの中に「絆」を見出しているようだ。 前話の「農民 vs コンピ...
百姓雑話

第268話 光の時代

立春を過ぎた。まだまだ寒さは続くものの、春の兆しが日差しの中に見え始めた。待ちに待った春までもう少し。雪の心配がなくなる春分の日までの辛抱だ。 季節感が鈍った人間たちとは違い、自然の生き物たちは季節の移ろいを敏感に感じている。陽だまりの梅の...
百姓雑話

第267話 偉業

世に「偉業」とたたえられた発明や事業を数え上げたらきりがない。基本的に、そのどれもが人類の発展や新たな文明の創出につながったと評価されている。 しかし、それらの偉業が、庶民をどれほど幸福にしただろうか。地球上からたくさんの生物種を絶滅させた...