文明・歴史

百姓雑話

第290話 結(ゆ)い

大津波が東北地方の沿岸部を急襲した後、「絆」という言葉が若者にも語られるようになった。その若者たちのほとんどは、スマホを片手にインターネットで瞬時につながるバーチャル・リアリティの中に「絆」を見出しているようだ。 前話の「農民 vs ...
百姓雑話

第268話 光の時代

立春を過ぎた。まだまだ寒さは続くものの、春の兆しが日差しの中に見え始めた。待ちに待った春までもう少し。雪の心配がなくなる春分の日までの辛抱だ。 季節感が鈍った人間たちとは違い、自然の生き物たちは季節の移ろいを敏感に感じている。陽だまり...
百姓雑話

第267話 偉業

世に「偉業」とたたえられた発明や事業を数え上げたらきりがない。基本的に、そのどれもが人類の発展や新たな文明の創出につながったと評価されている。 しかし、それらの偉業が、庶民をどれほど幸福にしただろうか。地球上からたくさんの生物種を絶滅...
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第261話 真逆の世界

暮れも押しつまり、寒さが身にしみる。農作業を終え家路につく頃は、もう真っ暗だ。畑の野菜たちは日暮れとともに凍りはじめる。澄み切った星空を見上げると、静寂のなかで無数の星々が輝き、きらびやかな都会の夜とは真逆の世界が広がっている。 そん...
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第256話 進化と退化

「人類はもっとも進化した高等生物である」と学校で教えられました。今でも一般的にそう思われています。「脳が大きい」とか、「進化の過程でもっとも遅く発生した生物だから」とか、「食物連鎖の頂点に立っている」とかの理由で。生物進化の道筋を示す系統樹...