文明・歴史

百姓雑話

第261話 真逆の世界

暮れも押しつまり、寒さが身にしみる。農作業を終え家路につく頃は、もう真っ暗だ。畑の野菜たちは日暮れとともに凍りはじめる。澄み切った星空を見上げると、静寂のなかで無数の星々が輝き、きらびやかな都会の夜とは真逆の世界が広がっている。 そんな星空...
百姓雑話

第256話 進化と退化

「人類はもっとも進化した高等生物である」と学校で教えられました。今でも一般的にそう思われています。「脳が大きい」とか、「進化の過程でもっとも遅く発生した生物だから」とか、「食物連鎖の頂点に立っている」とかの理由で。生物進化の道筋を示す系統樹...
百姓雑話

第228話 死して、なお尽くす

皆生農園のある白井市は、都内にアクセスする北総鉄道沿いは都市化されていますが、中心街から車で5分も走れば昔ながらの農村風景が残っています。森や林もいたるところにあり、野生動物をよく見かけます。夜中に車を走らせると、タヌキや野ウサギなどにも出...
百姓雑話

第224話 根絶の思想、共存の摂理(2)

「人類は滅びても、ゴキブリは絶滅しないだろう」という話しを聞いたことがあります。多分そうかもしれません。熱帯地域を中心に世界では約4000種のゴキブリが棲息しているそうで、倉庫にストックしてある糠(ぬか)や畑の草むらでもよく見かけます。 と...
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第222話 根絶の思想、共存の摂理(1)

今月5日は啓蟄(けいちつ)、そして今日は春分の日です。歳を重ねるたびに、冬がとても長く感じられるようになり、「やっと春が来た」という気がします。春を感じて畑では、菜の花にミツバチが既に現われ、先週はモンシロチウが1匹初見されました。羽を生や...