第1話 縁

百姓雑話

人には何かの縁がある。

若い頃は、縁などまったく意識しなかった。未来は、才能と努力の結果として、誰にでも開けてくると信じていた。多少の運、不運はあっても、縁に依拠した生き方はしたくなかった。

しかし、農業を始めた頃から、運を肯定するようになった。窮地に陥った時や、運が悪く挫折しそうになると、いつも誰かが助けてくれたからである。過分な助力をくださった方々だけでも数えれば、両手では足りない。特に、地元の農家の皆さんと研修生には何度お礼を言っても足りない。今こうしてパソコンの前に向かってキーを打てる余裕を作れるのも、それらの方々のお陰である。新しい農場を見つけてくれたのも研修生の関係者や地元の方々である。このホームページの制作も、研修生の友人と、30年以上も会っていなかった私の旧友である。

この連載を始めるにあたり、お一人お一人のお名前をあげない非礼をお許しいただき、この機会に改めて感謝の気持ちをあらわしたい。有難うございました。

そして、このホームページを接点にして、新たな良縁が生まれれば、あるいは新たな学びの場になれば、幸いである。

(文責:鴇田  三芳)