今年の夏の天気は、素人目に見ても、明らかに地球規模の温暖化の影響を受けていると推察できます。
昔は小笠原諸島のあたりに太平洋高気圧が鎮座していましたが、今年は北太平洋のアリューシャン列島のあたりに居座っています。太平洋高気圧というよりも、オホーツク高気圧の定位置に夏の高気圧があるのです。そのため、梅雨がないと言われてきた北海道に前線が停滞し、記録的な大雨をもたらしています。
台風の発生位置もかなり北に偏っています。日本近海で次々に発生し、関東地方をかすめていきます。例年この時期は、赤道付近で発生した台風が、小笠原諸島のあたりに陣取っている太平洋高気圧に押され、九州方面に流されてしまいます。
西日本では、今でも猛暑日が続き、水不足が問題になっています。余談ですが、私は暑くて有名になってしまった群馬県館林市のとなりの足利市で育ちましたが、その頃は猛暑日など聞いたことがありませんでした。一番暑い時期でも、32、3℃でした。
このように、今年の夏の天気の特徴は、気圧配置が全体的に北上し、関東以西が熱帯化していることです。それは、ジェット気流の位置や本州以南の海水温が高いことと密接に関連しています。
もはや、地球規模の温暖化を疑う余地はないように思えてなりません。日本以外の地域でも急速な温暖化がいたる所で見られます。例えば、今や日本からヨーロッパに船で行くのにスエズ運河を通らず、分厚い氷が溶けた北極海を回って行けるようになっています。
このような気候は、経済活動や消費動向はもとより、農業現場の者にも大きく影響します。ここのところ関東地方では雨続きで、先週だけでも皆生農園の畑には200mm以上の雨が降りました。野菜の種まきや苗の植え付けがなかなかできない状態が続いています。去年も同様でした。正直、「参った、参った」という気にもなります。
しかし、もう四半世紀以上も前から指摘されてきた地球の温暖化は、はたして世界規模で大騒ぎするほどの問題なのでしょうか。
(文責:鴇田 三芳)