第393話 科学技術の奴隷

百姓雑話

私は、根っからの理工系人間で、ずっと科学技術の信奉者でした。

しかし、数年前から科学技術に疑念を抱き始め、今ではほとんどの人々が科学技術の奴隷と化しつつあると思えてなりません。肉体的にも精神的にも、です。農業という「地に足をつけた」仕事をしている私には、人類の向かっている先が恐ろしいのです。

科学技術を発展させ利用し物質的豊かさと便利さを手にした人類は、飽くことなく欲望を増幅させ、あの時を迎えました。そう、あの時とは核兵器の開発です。これを境に、科学技術と人類の力関係が逆転したように思います。

その後、力関係の差はどんどん拡がるばかりです。

遺伝子操作で、新たな農作物の種が作られ、医薬品も作られます。新型コロナ・パンデミックが発生して間もなくワクチンが作られた時には驚きと恐怖を感じてしまいました。このパンデミックが収まるやいなや、ウクライナ戦争が勃発し、ドローン兵器が表舞台に登場しました。その時も驚きと恐怖を感じ、人類が科学技術の奴隷になりつつあると思うように私はなりました。その思いを決定づけたのは生成AIです。

開発の目的とは裏腹に、SNSは人間関係を希薄にし、虚実の判断がきわめて難しい社会を生み出してしまいました。確実に、人間社会は崩壊しつつあり、人類は機械に酷使され、騙され、殺される時代になってしまいました。

こんな時代が来るとは、100年前に誰が想像していたでしょうか。

(文責:鴇田 三芳)